前回に引き続いて同じキロボックスから出てきた旧キク15円の発光切手ですが、消印は昭和42年4月の大宮局の和文機械印です。新しく入手した資料によれば、発光切手の実験が大宮局に選定されたのは局舎建て替えの時期が重なったこともありましたが、ロンドン郊外のルートン市やフランクフルト郊外のダルムシュタットの郵便機械化実験の先行事例を参考に、大都市から近い中規模の都市としてふさわしいという事情が大きかったようです。新しい大宮局の局舎は昭和41年6月23日に竣工し、7月中旬から日本電気の制作した各種試作機が搬入され8月1日に郵政省郵便機械化企画室直轄の実験室が開所されました。切手の燐光枠を検知する、日本電気製の自動取り揃え機(NFC-2型)の実験がスタートしました。今回の消印はその押印機による消印です。また、同実験室では押印機の小型化を目指した日立製の押印機の実験も並行して実施したようですが、この「大宮日立」については消印が入手次第ご紹介したいと思います。
(発光切手の発行総数)
・1版7円=270万枚、昭和41年7月11日封入
・1版15円=500万枚、昭和41年7月9日・11日・12日封入
・2版7円=300万枚、昭和42年1月20日封入
・2版15円=400万枚、昭和42年1月19日封入
・3版15円=600万枚、昭和42年11月2日・6日封入